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2026.03.16
2026年繁忙期動向 変容する賃貸市場と「選別」の時代
2026年の賃貸市場の繁忙期は、これまでの「繁忙期=誰もが動く時期」という常識が通用しなくなっています。物価高による生活防衛意識と、首都圏を中心とした家賃高騰。この二つの逆風が、市場の風景を大きく変えつつあります。今回は、これらの厳しい市場背景を整理し、これからどう入居付けに向き合うべきかお伝えさせていただきます。
1.「動かない」という選択:物価高がもたらした引っ越し控え
現在、多くの生活者が直面しているのは、食品や光熱費、そして輸送費の容赦ない上昇です。引っ越しに伴うコスト(敷金・礼金、手数料、家財の買い替え、そして引越し業者への支払い)は、今や家計にとって極めて大きな負担となっています。
現状:以前なら「少し古くなったから」「気分転換に」と動いていた中間層が、今の家賃を維持するために「更新」を選択し、ステイする傾向が強まっています。
影響:賃貸仲介における「一般個人客」の流動性が低下し、従来の集客手法だけでは顧客からの反響獲得が難しくなっています。
2.首都圏の家賃高騰:限定される「借り手」の肖像
特に首都圏においては、家賃の上昇が一般的な会社員の給与上昇幅を大きく超えてしまいました。これにより、都心の物件を借りられる層が明確に分断されています。
法人契約への依存:個人での契約が困難な金額帯が増えた結果、福利厚生の手厚い企業の「法人契約」や、高所得層のパワーカップル、あるいは戦略的に住居費を捻出できる層に借り手が限定されつつあります。
ミスマッチの発生:貸主が強気の賃料設定を維持する一方で、借主の支払能力が追いつかない「需要と供給のミスマッチ」が、一部の高級物件や新築物件で顕在化しています。
3.今後の入居付けに求められる「付加価値」とは
このような「選別」の時代において、オーナーはただ物件を募集してもらうだけでは生き残れません。今、顧客が求めているのは、単なる物件情報ではなく、 「安く借りる」ではなく「賢く住む」という物価高という長期的なリスクを見据えた「生活設計のパートナー」としての視点です。
初期費用の緩和:敷金・礼金を無くすことや、フリーレントの導入など
タイパとコスパの追求:高い家賃を払う価値のある設備の導入(ネット無料、宅配BOX)
家賃高騰と物価高という二重苦の中で、顧客はかつてないほど「シビアな目」を持っています。 その目に適う価値を提示できるか。ともに選ばれる物件づくりを行っていければと思います。
