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2025.09.22

相続発生時に 引き継ぐべき資産と処分するべき資産①

 相続発生時において、不動産資産を引き継ぐべきか、あるいは処分すべきかを判断することは、相続人にとって非常に重要な意思決定となります。その判断基準は多岐にわたり、個々の状況に応じて慎重に検討する必要があります。

 今回は、引き継ぐべき不動産資産と処分すべき不動産資産の主な判断基準についてお伝えします。

引き継ぐべき不動産資産の判断基準

引き継ぐべき不動産は、主に「使用価値」「収益価値」「将来性」「相続人の意向」の観点から判断します。

 

(1) 使用価値・居住の必要性

相続人や親族が居住する予定があるか

相続人がその不動産に住むことを希望している場合、または親族が利用する予定がある場合は、引き継ぐことが優先されます。住居としての価値は、金銭的な価値以上に大きい場合があります。

セカンドハウスとしての利用価値

将来的に別荘やワーケーション施設として利用する可能性がある場合も、引き継ぐ価値があります。

 

(2) 収益性・資産価値

賃貸物件として安定した収益が見込めるか

すでに賃貸物件として稼働しており、安定した家賃収入が見込める場合、または今後賃貸経営を始める予定がある場合は、引き継ぐことで継続的な収益を得られます。

利回りが高いか

周辺の賃貸物件と比較して、高い利回り(家賃収入÷物件価格)が見込める場合は、収益性の高い優良資産と判断できます。

金融機関からの融資評価が高いか

不動産を担保に融資を受ける際に、金融機関からの評価が高い物件は、資産価値が高いと判断できます。

 

(3) 相続税対策・節税効果

小規模宅地等の特例の適用可否

被相続人の居住用宅地や事業用宅地など、特定の条件を満たす場合に、土地の評価額を最大80%減額できる特例です。適用できれば相続税の負担を大幅に軽減できます。

賃貸物件の場合の評価減

賃貸物件(貸家建付地、貸家)は、自用不動産よりも相続税評価額が低くなるため、相続税対策として有効です。

物納の可能性

相続税を現金で納付することが困難な場合、一定の条件を満たせば不動産で納税できる「物納」の選択肢を考慮に入れることもあります。ただし、物納できる不動産は限定されます。

 

(4) 相続人の管理能力・意向

相続人が不動産の管理・運営に意欲的か

不動産を所有するということは、固定資産税や維持管理費の支払い、修繕、賃貸物件であれば入居者対応など、手間とコストがかかります。相続人がこれらを負担できるか、あるいは専門家(不動産管理会社など)に委託する資金があるか。

家族間での合意形成

複数の相続人がいる場合、その不動産を誰が引き継ぐか、あるいは共同で所有するかについて、全員の合意が得られているか。

 

(5) 思い入れ・精神的価値

先祖代々受け継がれてきた土地・建物など、精神的な価値が高いか

金銭的な価値では測れない、家族の歴史や思い出が詰まった不動産は、相続人の心情を尊重し、引き継ぐことを選択する場合があります。

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