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2025.09.01
2025年の賃貸不動産市場は “変化”が時流
2025年の賃貸不動産市場は、多様な要因が絡み合い、変化の時流を迎えています。以前からお伝えし続けている内容もありますが、主なトレンドや変化についてあらためて解説していきたいと思います。
- 家賃の上昇トレンドの継続
- 物件層による二極化: ファミリー物件は供給が少なく、売買価格の高騰に引っ張られる形で家賃が上昇しやすい傾向にあります。一方、ワンルームマンションは供給過剰のエリアもあり、競争が激化し、家賃が下がるケースも見られます。
- 入居者の行動パターンとの変化
- 「内見レス申込」の拡大とデジタル化: 実際に物件を見学せずに契約に至るケースが急増しており、バーチャル内見などオンライン技術への抵抗感が全世代で軽減されています。不動産取引のデジタル化が不可逆的に進行しています。
- 都心回帰と通勤時間の意識変化: コロナ禍で一時的に郊外人気が高まりましたが、2023年以降は都心回帰の傾向が強まっています。特に単身者は職場近くを選ぶ傾向が顕著です。ただし、多様な価値観が共存しており、ファミリー層は通勤利便性以外に重視する要素も存在します。
- 人口動態の変化と需要の多様化
- 単身世帯の増加: 生涯未婚率の上昇や、長寿化、離婚率の上昇により、単身世帯が増加しており、小規模物件や賃貸住宅の需要が増加すると考えられます。
- 高齢者向け賃貸住宅の需要増: 高齢化社会の進展に伴い、高齢者向けの安心賃貸住宅(サービス付き高齢者向け住宅など)の需要が高まっています。自宅か介護施設かという二者択一ではない新たな住まいの選択肢として注目されています。
- 地域差の拡大: 都市部では人口増加や再開発による需要増加が見込まれる一方、地方では人口減少による空き家の増加が懸念されており、不動産価格の二極化が進むと予測されます。
- 不動産投資市場との関連
- 賃貸物件への投資意欲: マンション価格の高騰が続く中、購入から賃貸へのシフトが見られ、賃貸物件への投資は引き続き堅調です。
- 投資戦略の変化: 単純な表面利回りだけでなく、将来的な価値上昇が期待できる物件(駅前再開発地域、新交通インフラ整備予定エリアなど)を見極める目が必要とされています。築古物件のリノベーション投資も効果的な戦略として注目されています。