賃貸物件に居住している入居者やお部屋探しのお客様が求めるニーズは、時代の流れとともにものすごいスピードで変化しております。入居者が引っ越す理由は設備に起因するものだけではなく、生活スタイルの変化に起因するものも多くあります。2025年の繁忙期に向けて、ユーザーが引っ越しの際に求めているものは何か、今回は「引っ越し理由」について解説していきます。

　上の表は、アットホーム社にて発表された2024年上半期の問合わせが増えた条件・設備に関するランキングとなっております。こうやって見てみると、設備に関する不満での引っ越しの割合は、「防音性を上げたい」「設備のグレードアップをしたい」の2項目となっており、大きな引っ越しに理由になっていないことがわかります。

　「住み替え」に焦点を当ててみると、最も気にされているのは家賃ということがわかります。毎月の家賃を下げたいという理由で住み替えを検討している方が全体の35.3％となっております。都市部エリアでは、相場家賃が上がっている傾向がありますが、以前にもお伝えしたように、新築の賃料が大きく上がっていることが起因しております。何も対策なしに家賃は上げられないので、まずはご自身の物件が相場と賃料がかけ離れていないか見直してみてください。

　仕事や学校といった生活のメインとなる点での環境変化も引っ越しの大きな理由となっております。物件の立地は変えることはできないので、これに対してオーナーの皆様が対策できることは限られます。例えばですが、「防音クロスや二重冊子等で部屋の防音性を高めることで、仕事や勉強に集中しやすい環境にする」だとか、「折り畳みのワークテーブルを設置する」等が上げられます。

　いかがでしたでしょうか。ユーザー目線になって物事を考えることが大事ですが、すべての望みをかなえるのは難しいのが現実です。まずは2025年の繁忙期に向けてやれることから着手していきましょう。