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2024.10.28
親族間での不動産の譲渡(贈与)
親の不動産を子が買い取る(譲渡)ケース、親の不動産を無償で子に譲渡する(贈与)ケースにおいては、その取引金額について問題となることが多くあります。例えば、親名義の自宅建物を子に贈与するような場合ですが、昭和時代に建てた古屋なので価値もないからと安易に名義変更をしてしまうようなことをよく聞きます。
譲渡には価値がつきまとう
不動産の譲渡については、何らかの価値(時価、路線価、固定資産税評価等)がつきまといます。上記の贈与のケースで言えば、贈与税の対象となり相続税法に規定する財産評価の金額を贈与税の課税対象としなくてはなりません。自宅建物(家屋)の場合であれば、贈与の年の固定資産税評価額と定められていますので、固定資産税評価証明を確認して、贈与税の申告及び納税の有無を確認しておきたいところです。また、親子間で売買する場合は、その価値は時価と定められております。その時価は、身内の時価(少し安くしておく)でいいのではないかと思いがちですがそうではありません。
親子間の売買時価とは
では、売買での時価とはどのような価値を言うのでしょうか。この場合の時価とは、市場価格のことを言うため、一般的には「他人に売れる金額」ということになるかと思います。そうしますと、時価の約80%と言われている路線価では低くなり、その近辺で売りに出されている土地情報の売値では高くなるように思われます。また、時価より安く売買した場合は、その差額を贈与したものとみなされて、差額に贈与税が課税されるリスクもあります。ではどの金額を使えばいいのか。結論としては、路線価を超え市場価格までの金額で売買をしないと税務署からの指摘がありうるということになります。
気を付ける点は?
このように親族間売買の値付けは、簡単ではありません。路線価でやってみて何も指摘がなかったという方もいらっしゃるでしょう。しかしそれは偶然です。近年では時価が路線価の2-3倍になっていることもあります。まずは、売買する地域の不動産会社の査定金額を取ってみて、親族間時価が定まらないようでしたら、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼して備えておくことが必要です。確定申告時に鑑定書を添付しておけば指摘があることは少ないでしょう。素人判断の時価で税務リスクをとるよりも不動産鑑定士の評価金額で申告を行う方が、精神的なコストも含めて高くつかないと思います。
具体的な手続きは、事前に税理士・税務署にて詳細の確認をされて進めていただけるようお願いいたします。