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2024.10.14
リースバックのメリット・デメリット
リースバックとは、不動産の所有者が、その不動産を売却し、購入者である買主からその不動産を借りる形で引き続き入居を続けるという仕組みです。本稿では、リースバックのメリットとデメリットについて解説したいと思います。
■メリット
リースバックによって、売主側は、同じ不動産に住み続けたまま、まとまった老後資金を手に入れることができます。したがって、買主としては、入居者が住み慣れた不動産に長く住み続けることが見込めるため、初期の空室のリスクもなく、安定した賃料収入を期待することができます。
将来的には物件を売却することで収益を得ることも可能ですし、リフォームなどを行うことでより高額で売却することも見込めます。売買契約の内容によっては、将来的に売主に買い戻す特約が設けられることもあります。
■デメリット
一方で、不動産を所有することにより、その不動産の維持費を負担する必要が生じます。具体的には、固定資産税や火災保険料、管理費、マンションの場合には修繕積立金などを負担することになります。
また、原則として建物の所有者が建物を使用収益するために必要な修繕を行う義務を負いますが(民法第606条第1項)、リースバックの場合には修繕を借主側で行うよう特約が設けられることもあります。
上記のとおり、リースバックには様々なメリット、デメリットが存在します。リースバックを含め不動産に関してトラブルになった際には、不動産に注力する専門家にご相談されることをお勧めします。
・投資対象として考えるリースバック物件のメリット・デメリット
・リースバックを利用する際に知っておきたい「事業者側からみたリースバック物件の魅力」
弁護士法人 一新総合法律事務所
弁護士 田上 博也 氏