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2024.05.13

空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について

使用目的のない空き家は、ここ20年ほどで1.9倍にもなり、今後も増加することが見込まれています。(1998年:182万戸→2018年:349万戸→2030年見込み:470万戸)

空き家は周囲の環境に悪影響を与えるだけでなく、老朽化が進むことにより、賃貸や売却が難しくなり、空き家を処分することが困難となります。

そこで、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(以下「本法」といいます。)が、令和5年12月13日に施行されました。

本法は、以下の3点を柱に、所有者に対し、国や自治体の施策に協力する努力義務が課されることになります。

1 空家活用を拡大する。

2 空家管理を確保する。

3 周囲に著しい悪影響を与える空家(「特定空家」と呼ばれます。)を除去する。

 

以下、さらに具体的な施策を記載します。

1 活用拡大

(1) 「空家等活用促進区域」を創設し、用途変更や建替等を促進します。

(2) 所有者に代わって所有者不在の空家の処分を行う財産管理人の選任を市区町村が裁判所に請求できることになります。

(3) 空家等管理活用支援法人を創設します。(所有者向けの相談対応などを行います。)

2 管理の確保

(1) 特定空家化の未然防止措置が行われます。(国が「空家の管理指針」を告示、放置すれば特定空家となるおそれのある空家(「管理不全空家」と呼ばれます。)に対し市区町村が指導・勧告、勧告された空家の住宅用地特例の解除)

(2) 所有者に代わって建物管理を行う「管理不全建物管理人」の選任を市区町村が裁判所に請求できるようになります。

(3) 電力会社等にある所有者情報を市区町村が提供要請できるようになります。

3 特定空家の除去等

(1) 緊急時の代執行制度が創設されました。

(2) 市区町村が裁判所に財産管理人(相続財産の清算人など)の選任を請求し、空家の管理・処分を実施します。

(3) 空家の所有者への報告徴収権(調査のために行政機関が資料の提出などを求める権限)を市区町村に付与し、勧告・命令等を円滑化します。

 

弁護士法人 一新総合法律事務所

弁護士 田上 博也 氏

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