仙台やまいち不動産投資センター

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2024.01.29

インボイス制度スタート! 不動産賃貸業は、今後どうする?

 2023年10月から消費税インボイス制度がスタートしました。約1か月経過したところですが、大きなトラブルはないものの、事務作業が煩雑になったことで想定した以上に処理に時間を要している感じです。

 

駐車場オーナーの対応は想定通り

借手からの目線で見ますと、駐車場オーナー(貸主)の対応は、インボイス登録について、明確にやらないと意思表示がある・無反応くらいで、割合としては、無反応がほとんどで、明確にやらないと意思表示があった方が1割程度でした。2026年までの3年間の経過措置の間は様子を見るという予想は大方合っていたように思います。

 

借手は今後どのように動いていくだろうか

筆者の拙い数のヒアリングベースでの対応を聞くと、契約期間が残っているうちは貸主に特段の行動は起こさないという方が多いように思います。ただ、心情的には良く感じていない方が多く、次回更新時に賃料の変更や移転などの対処を検討している方が大半です。

 

借手の心理

ある飲食店が借りている店舗の貸主は将来的にもインボイス対応をしないようで、現状の月額賃料50万円(税込)の金額変更も検討していないとのこと。これを飲食店側の消費税負担を試算してみると下記の通りになります。

202310月から20269月 消費税負担額 109,090/

202610月から20299月 消費税負担額 272,727/

このような負担を借主に生じるため、どうしても次回更新前にその後の契約への対応(移転、消費税分減額、消費税分増額)を検討することになってしまいます。

 

貸主の心理

貸主側としては、消費税負担というよりも申告作業、経理処理などの事務負担を避けたがっている部分が大きいとみえますので、これは国税庁が簡便な申告納税方式などを導入するなどの制度的な支援を望みたいところです。一方で当初の3年間の経過措置の間に賃料減額などの検討をしているオーナーも少なくないです。

 

誰が負担するのかという綱引きの様相を呈していますが、基本となるのは適正な賃料設定ときちんとした契約書の整備かと思います。先の6年間を見据えて早めの対応が望まれます。

以上、参考にして頂けましたら幸いです。具体的な手続きは、税理士・税務署にて詳細の確認をされて進めて頂けるようお願いいたします。

 

税理士法人タックスウェイズ

税理士  後藤 勇輝 氏

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