仙台やまいち不動産投資センター

トピックスTOPICS

2022.03.21

令和4年税制大綱で変わる相続・贈与税のポイント

昨年12月、例年通りの日程で令和4年度税制改正大綱が決定し発表されました。注目されていた『相続税と贈与税の一本化』については、具体的な改正は来年度以降に持ち越し、住宅取得等資金贈与の非課税措置は2年延長となりました。それぞれの内容を確認しておきましょう。

 

相続税と贈与税の一体化は来年度以降に持ち越し

「今後、諸外国の制度も参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を始める」(令和4年度税制改正大綱より)

「相続税と贈与税の一体化」は、相続税を節税するために生前贈与を活用するのが難しくなるのではとの見方もありましたが、今回の税制改正大綱では具体的な改正は見送りとなりました。そうは言っても「相続税と贈与税の一本化」についてどんな内容になっていくかなど、今後の課題が残ります。そもそも年間110万円までなら非課税枠(基礎控除額)がある『暦年課税』制度はご存知の方も多いかと思います。この非課税枠を活用すれば、次の世代へ贈与税の負担なく資産を渡すことができます。この暦年課税制度を活用しての節税対策のやりすぎが好ましくない、という考え方から、相続税と贈与税を一体として税金を計算する仕組みへの移行が検討されているようです。

現行の暦年課税制度では、相続発生前の3年以内に行われた贈与財産は相続財産に含められ、相続税の課税対象となります。来年度以降の税制改正においては、この3年という期間を10年とするドイツ、15年とするフランスといった諸外国の制度を参考に見直されることも十分に考えられます。

 また、相続時精算課税制度では、2,500万円まで贈与税がかからない非課税枠がありますが、相続の際にはこの制度を使っての贈与財産は、何年前かに関わらずすべて相続税の課税対象となります。このように贈与財産にも相続税を課税できる相続時精算課税制度を、贈与税の原則的な計算方法とする可能性もあるようです。

 

住宅取得等資金の贈与の非課税措置は2年延長

資産が目減りする、というのは少しわかりづらいかもしれませんが、建て替えをするということは、今回の税制改正大綱では資産税に関わる項目として、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置が2年延長となり、令和5年12月31日まで適用可能となります。非課税限度額は省エネ等住宅で1,000万円、それ以外の住宅は500万円とそれぞれ500万円引き下げられ、内容についても若干の見直しがなされています。 今後の改正の可能性も踏まえ、相続の準備は早めに進めておく必要があります。

一覧へ戻る