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2021.09.13

避けて通れない騒音トラブルへの対処方法

私の所有するアパートの一室で、入居者の方から深夜に騒音がひどく、注意をしたら入り口のドアをたたかれ、廊下ですれ違う際に罵声を浴びせられるようになった、という苦情がありました。入居直後から騒音がひどかったので、私が騒音トラブルがあることを知りながら、教えなかったのではないか、とも言われています。どのように対処したらよいでしょうか。

 

 騒音トラブルは、オーナーにとって避けては通れない問題です。最近では、生活音をはじめとした近隣との音の問題が大変に増えており、多くのご相談を頂いているところです。特に、最近はテレワークや外出自粛で在宅の時間が多く、例年以上に騒音の相談が多いという印象です。

 このような騒音トラブルですが、法律的に整理すると、以下のように整理できると思います。

 

騒音について苦情をいう入居者との関係

 こちらは、騒音の苦情の内容が「受忍限度」を超えるものかどうか、という問題になります。一般的に、アパートやマンションなど複数の方が生活している場では、全く騒音が生じないということはありえません。ですので、その騒音が「受忍限度」つまり、通常、許容すべき範囲を超えているかどうかが問題となります。受任すべき範囲を超えていれば、生活に使用することができない物件を貸している、ということになりますので、賃貸人の責任が生じうることになりますし、受忍限度の範囲内であれば、そのような問題ではなく、入居者の気にしすぎであり、貸主の責任ではない、ということになります。

 

騒音を出している入居者との関係

 騒音を出している入居者の関係では、その入居者の騒音の内容や程度が著しい場合には、賃貸借契約書の義務違反(用法遵守義務違反等)として、契約解除して、明渡し(退去)を求めることになります。

この場合、押さえておきたいポイントが2つあります。一つは、単なる騒音ではなく、受忍限度を超えて信頼関係を破壊するようなものではなければなりません。たとえば、受忍限度を超える騒音が続き、何度も注意しても、改善できるはずなのに改善されない、といったものである必要があります。もう一つは、証拠の問題です。クレームを言っている側の入居者の証言だけでは足りず、客観的な証拠が必要です。最近では、スマートホンなどでの測定などもありますが、裁判に耐えるだけの証拠となると、専用の検査機器を利用を適切に設置して計測し、証拠化する必要があります。苦情をいう一方当事者の言い分ではなく、客観的な証拠により受忍限度を超えた騒音があるということを測定する必要があります。

 

このように、騒音問題については、法律的に多くの問題点があります。トラブルが顕在化した場合の対処法については、早めに専門家へ相談すべき内容である点を押さえておきましょう。

 

弁護士法人 一新総合法律事務所

弁護士 大橋 良二 氏

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