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2022.04.11

ついに電子契約が主流に? 2022年借地借家法改正の2つのポイント

2022年5月よりデジタル改革関連法に基づく改正法が施行される予定です。この改正により、これまで必ず「書面」でなければならなかった規制が改正され、電磁的方法(オンラインによる方法)により行うことが可能となります。

 

 不動産に関わる皆様にとっては、大きく宅建業法の改正と借地借家法の改正が関係しますが、前回の宅建業法改正に引き続き、今回は借地借家法の改正について確認しましょう。

 

①定期借地契約の特約について

これまで定期借地契約の特約を結ぶ場合には「公正証書等の書面」による必要がありましたが(借地借家法22条)、今回の改正で電磁的記録によることが可能となります。

なお、この定期借地契約というのは、50年以上の存続期間(契約期間)によることが必要なもので、事業用定期借地権とは異なるものです。事業用定期借地権については、これまで同様に公正証書による締結が必要となります。

   普通借地契約 → 従前通り電磁的契約による締結が可能

   定期借地契約 → 今回改正により電磁的契約による締結が可能に

   事業用定期借地契約 → 従前通り公正証書による締結のみ

 

②定期借家契約について

 これまで定期建物賃貸借契約については、公正証書等、書面による契約締結が必要でした(同法38条1項)。また、定期建物賃貸借契約を締結する場合には、建物の賃貸人は、あらかじめ建物の賃借人に対し、更新がなく期間の満了で終了することを記載した、書面を交付して説明する必要があります。(同法38条2項)

 この点が法改正により、契約締結については、電磁的記録で行うことが可能となり(改正38条2項)、更新がなく期間の満了で終了することを記載した書面については、書面の交付に代えて、建物の賃借人の承諾を得て、電磁的方法により提供することが可能となりました。

 これにより定期借家契約によるマンスリーマンションなども電子契約が可能となります。

 

デジタル改革関連法に基づく法改正について説明致しました。今後、さらに具体的な内容が定まって行くと思います。今後もデジタル化の流れは進んでいくと思いますので、法改正も含めてポイントを押さえていきましょう。

 

弁護士法人一新総合法律事務所

弁護士 大橋 良二 氏

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