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2022.03.28

『資産に関わる税務の基本』もう誰にも聞けない相続税の基本⑩

相続税の基本の10回目です。今回は、相続税の軽減制度を解説します。税額軽減は、配偶者の税額軽減という仕組みがあり、相続税を計算する上では納税額に最も影響を与える制度となっております。

 

≪配偶者は税額がゼロ

この制度は、配偶者が遺産分割などで取得した遺産額が下記の多い方の金額まででしたら、税額をすべて軽減するというものです。

 

16千万円 または 配偶者の法定相続分の遺産額

 

つまり遺産総額が1億6千万円であればすべて相続しても相続税はゼロとなり、遺産総額が100億円で、配偶者(法定相続分2分の1ならば)が50億円分相続してもゼロになるという仕組みです。

 

≪ブリヂストンとパナソニック≫

この制度の利用の有無で有名な相続税のお話は、この2社のオーナー一族のご相続です。ブリヂストンの石橋家は子供のみの相続のため史上最高額の相続税(遺産総額約1,646億円・相続税1,035億円)と呼ばれ、パナソニックの松下家は配偶者と子供の相続のため遺産総額が史上最高額であったものの石橋家の相続税よりも少なかったそうです。

※遺産総額約2,450億円・相続税845億円・配偶者0円[出典:Wikipediaなど]

 

≪制度の利用で注意すべき点≫

この制度で留意すべき点は、相続税の申告期限までに遺産が分割されていないと対象にならない点です。もし分割できなかった場合は別途手続き後、3年以内に分割ができれば適用されます。また、よく聞く「二次相続」という考え方もあります。軽減を最大で適用したけれども、その後発生する相続時の相続税負担も考慮すべきだったというようなケースです。世代間での相続財産の構成をみて不動産と現預金のバランスが悪くなるようなときは、一次相続時に配偶者の取得割合を変えて相続税を先に負担しておくことも検討の余地があるので注意したいところです。

 

相続税額に最大の影響を与える制度です。しっかりと理解しておきたいですね。

 

No.4158 配偶者の税額の軽減(国税庁タックスアンサー)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4158.htm

 

税理士法人タックスウェイズ

税理士  後藤 勇輝 氏

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